私の人生を決めてください
聖ちゃんは何も言わずにわたしが落ち着くのを待ってくれた。


「連絡したら終わっちゃう気がして連絡できないんだよね」

吐き出したらもっとスッキリするって思ってた。

それでも、わたしから吐き出された塊は心を少し軽くした。

「ずっと注意されてたんだよね。なのに大丈夫だって勝手に思ってた」

自嘲の笑みを涙が伝う。

「それでも今になって別れたくないって思うんだ。居なくてもいいって思ってたのはわたしなのに、本当馬鹿だよね」


「大事だって気づいたんだね。自分の気持ちに気づくってすごく大事なことだよ。彼にも伝わるといいね」

聖ちゃんは否定も肯定もせずに私を慰めてくれた。

わたしはもっと泣いた。



「未世ちゃんにも報告しなきゃ」

「そーだね。今度報告しよう。ゆっくりで大丈夫だよ」


聖ちゃんのおかげでわたしは笑顔になれた。
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