シャドウさん



私は、夢の中で、何度も何度も殺されている。




私を殺すのは、いつも同じ人。




『シャドウさん』。





自分で、そう名乗ったわけでも、誰かから聞いたわけでもない。




ただ、影のように真っ黒だから、私は自分を殺すその人を、『シャドウさん』と名付けた。






自分を殺しに来る人に名前を付けるなんて、馬鹿なんじゃないか、なんて言う人もいるかも知れない。



でも、私は小さい頃から、夢で『シャドウさん』に会っていた。




だから、いくら私を殺そうとする人であっても、変な話、どこか親しみを感じてしまうのだ。



< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop