同じ願いで
私はそれから、修了式まで一度も学校に行かなかった。
その分、仕事を沢山入れてもらったから、モデルとしてたくさん成長できた気がする。
「萌音‼︎」
修了式くらいは行こうと思い、学校に向かった。
すると、ばったり会った慎也に声をかけられた。
「あ、慎也…。おはよ。」
「おまえ…っ。おはよじゃねーよ‼︎」
登校早々、慎也に怒られた。
「なんで⁇私は何も悪いことなんてしてない。」
慎也に八つ当たりしてしまいそうなのを抑えて、必死に冷静さを保った。
「お前、祐がどんだけ荒れてるかわかってんのか⁉︎」
祐…
その名前を聞くだけで泣きそうになる。
「私が原因なの⁇私の気持ちも考えてないのに⁇」
思わずカッとなって強い口調になってしまった。
周りからの視線が痛い。
「とりあえず、来い。」
「イヤだ。行かない。」
「教室に行っても、祐と気まずいだけだぞ。」
その言葉を聞いて、私は渋々慎也と一緒に屋上に来た。