同じ願いで
そして私は少しだけ祐の腕の中にいた。
「そろそろ帰るね。」
「あぁ。送る。」
一泊だけなんだけど、すごく寂しい。
祐の家から私の家までの短い距離を2人でゆっくり歩いた。
「祐~⁇」
「ん⁇」
「ゆうー」
「なに⁇」
「ゆう…」
「どした⁇」
「ううん。なんもない。」
「変なやつ。」
そういって祐は鼻で笑った。
祐がそうやって鼻で笑うの、好きだなぁ。
なんて1人で考えてるといえに着いた。
祐と一緒にいると時間はすぐに経つから本当に嫌だ。
「じゃぁな。」
それだけ言ってすぐに歩き出した。
「ばいばいっ!」
祐に届くように大きな声で言うと、後ろも振り向かずに手だけをあげて行ってしまった。