同じ願いで
島に着き、フェリーから降りた。
ん~っ。
今更だけど、沖縄って綺麗だなぁ
初めて来たから異常にテンションが上がってしまった。
浜辺を少し進むと、見慣れたカメラマンさんたちがいた。
「おはようございます~♪」
「あっ、萌音ちゃん。おはよう。」
よく私の事を撮ってくれる、優しいお兄さんカメラマン。
杉田さんって言うらしい。
堅苦しいのが嫌いらしいから、年齢問わずみんなから"杉ちゃん"って呼ばれてる。
私もその1人。
「じゃあ、いきなりだけど…これに着替えてくれる⁇」
そう言って渡されたのは水着。
まだ3月の後半。
寒いよ~…
でも、我慢我慢。
そのとき、後ろの方から声が聞こえた。
「おはようございます。」
すごく可愛らしい声だったから思わず振り返ってしまった。
「愛…羅さん…⁇」
そこにいたのは、私が尊敬してやまないモデルの愛羅さんだった。
愛羅さんはこの雑誌の専属モデルしかやってないけど、幅広い年代から支持されている。
これでも34歳らしい。
私がモデルをやってみたいと思えたのも、愛羅さんの影響がある。
それにしても、遠くから見てても綺麗だな…
ポーッと見惚れてたら愛羅さんがわたしにきづいてこっちに向かってきた。
「あなた…なまえは⁇」
「あっ、もねと言います‼︎よろしくお願いします‼︎」
深々とお辞儀した。
「そんなに緊張しなくてもいいよ。」
そう言われ顔を上げると、愛羅さんは切なそうに笑っていた。
「愛羅さん…⁇」
「あっ、ごめんなさいね…。今日は私と撮影だから、頑張ろうね。」
そう言って、撮影スタッフの方へ戻って行った。
って、え⁉︎
今日って、愛羅さんと撮影なの⁉︎
田中さん、何も聞いてないよぉ~。