同じ願いで
ポツポツと懐かしそうに話す愛羅さん。
「どんどん元気になって、私たちは退院した。結婚しようねって言われて、私はすごく幸せだったの。」
「すごく幸せだったんだけど…。また、彼が…刺されちゃった…。」
「今度は、2人で住んでた家に来てそこで刺された。私は子供たちを守っていて、すぐに警察を呼んでいたから殺されなかった。でも、次はお前たちだ。って言われて…」
「彼は何箇所も刺されて、病院に着く頃には大量出血で覚悟して下さいって言われた。」
なんで…こんなに不幸なことが続くの…⁇
愛羅さん、すごく悲しかったし辛かったと思う。
いや、絶対につらいよ…。
「彼、そこで死んじゃった。その時のマネージャーと相談して、友達にも相談して、私は遠い沖縄に来た。子供達を置いて…」
あぁ、なんだかわかったかも。
田中さんが持っていた、双子の赤ちゃんの写真は愛羅さんの子供だったんだ。
愛羅さんは、田中さんと知り合いだから、この雑誌の専属モデルなんだ。
「子供達には危険な状態で育って欲しくなかった。私といたらいつ見つかっていつ殺されるかわからない。」
そうだよね。
「その、子供さんは…知ってるんですか⁇そういう理由で手放したってことを。」
「知らないの。何も言ってないの。もしバレたらって…そう私が怯えてた。この子たちだけは守らなきゃって。」
「そうなんですか…まだ、別れてから1度もあってないんですか⁇」
「一度だけ、見たことがあるの。楽しそうに、遊んでたよ。施設で…」
よかった…
子供さんは、殺されてなかったんだ…