同じ願いで



飛行機では、お母さんとの話を田中さんとした。




田中さんは、よかったね。 と微笑んでくれた。





私の予想通り、田中さんとお母さんは友達だったみたい。



そして、行きがけにフェリーで見た写真を私にくれた。



「田中さん…」


「どうしたの⁇」



「私とお母さんが撮影したのって、わざとですか⁇」



私はずっと気になっていた事を聞いた。



「それは違うよ。萌音の実力で沖縄まで行けた。愛羅と撮影するのって、簡単にはできないんだよ⁇」



お母さんって、そんなに大物だったんだ…



いや、普通に雑誌とかで沢山出ていたし、テレビでも話題になっていたから知ってはいたけど…



祐に話したらビックリするかな~⁇



少しウキウキしながら東京に帰ってきた。



途中まで、サングラスをかけるのを忘れていて沢山の人と握手した。



私って、そんなに知られてるのかな⁇



「萌音、沖縄で撮影したところ、早速明後日発売だから。」



「早いんですね、わかりました~。」



「いや、そうじゃなくて。話題になるかも。」



「え、なにがですか⁇」



「萌音って、本当に鈍感ね…」



田中さんの言ってる意味がわからないだけです~。


「萌音と愛羅が撮ってるから、親子って事を発表するってこと。」



「え、発表しちゃうんですか⁇」



「そうよ。事務所からそう言われたの。話題性があったほうがいいって。」




話題性って…



それって、私が自分の実力で上がってないみたいに思われないのかな⁇



「自分の実力であがったんだったら、人気がすぐに落ちるわけないわ。一つの試練だと思って。」



「はい…」



なんだかよく納得できなかったけど、とりあえずは田中さんの言う通りにした。




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