同じ願いで
それから1週間、ネチネチとした女子特有の嫌がらせをした。
モデルとして潰されたとしても、祐だけは譲れないもん。
っていうか、私がモデル業界から潰すほうなんじゃないの⁇
麻衣ちゃん、私みたいに実力で沖縄まで行ったりしてないよね⁇
なんでかわかんないけど、私には自信がある。
そんな時だった。
「ねぇ、萌音ちゃんって学校やめるの~⁇」
教室中に聞こえるくらいの大きい声で麻衣ちゃんがそう言った。
「急に何⁇」
私が微笑みながら言うけど、麻衣ちゃんは変わらず憎たらしい笑顔を見せている。
クラスのみんなが麻衣ちゃんの言葉を信じている。
まあ、いっか。
「やめるけど、なに⁇なにか、ダメなこと、あるかなぁ⁇」
麻衣ちゃんに優しく笑った。
「本当だったんだ~‼︎じゃあ、祐くんはもらうね♪」
なに、この子…
祐もいるし、私もいるし、みんなもいるし、本当にバカじゃないの。
もう私は半分呆れていた。
「ごめんね、祐は譲れないの…。私の方が祐のことだーいすきだからっ♪」
普段は大人数の前でこんなこと言わない私も、今日は違うよ。
麻衣ちゃん、手強いね。
どうせ、あっちも演技だろう。
ならとことん演技に付き合ってあげようかな♪
「私も祐くん好きなのに…。」
「うん。でも、私は祐の彼女だから。」
そう言って祐の所に走って行き、キスをした。
それを見て悔しそうな麻衣ちゃん。
私って、とことん性格わるいな…
「はっ、きも。ここまでするヤツとはもうおさらば。だりー。」
するとイキナリ麻衣ちゃんの口調と表情がガラっと変わった。
ここで、私の勝利確定。
男子はみんな引いている。
やばいな、みんな顔が引きつってるよ…
麻衣ちゃん、モデル人生大丈夫かな⁇
なんだか心配になってきた。
「麻衣ちゃん、演技してたの⁇演技上手だね‼︎」
こう言ったら、麻衣ちゃんは女優になるかもしれない!
そう思って言ったことは、すごく逆効果だった。
「あ⁇てめぇこそ演技じゃねえかよ。さっさとその仮面脱げば⁇」
そう言って、私の頭を掴んできた。
「いたいっ…」
私がボソッとつぶやくと、亜子が麻衣ちゃんの止めに入ってくれた。
「麻衣ちゃん、そろそろやめて。そうしないと麻衣ちゃん死ぬよ⁇」
「お前何言ってんの⁇私、モデルで食べていく気さらさら無いし。」
なんだかもう、麻衣ちゃんってどうでもよくなった感じかな。
自暴自棄になってるよ。
「いや、そうじゃなくて。本当に死ぬよ⁇萌音の力、ナメてたら後悔するよ⁇」