同じ願いで


どんどん先を歩く祐と、それを追いかける私。



「ねぇ、祐〜⁇」



何を言っても無口な祐。





も〜、なによっ。




屋上の扉の前にきた。




すると、いきなり私を抱きしめてきた祐。




「ゆう…⁇」




「お前の可愛い顔見せたくなかっただけ。」




…え⁇



それだけ⁇




「祐、それだけで⁇それって…」




"ヤキモチ"だよね⁇




「うるせー。お前は黙って抱きしめられとけ。」



照れ隠しなのかいつもより口調が荒い祐。




私が体を離そうとすると、力強く抱きしめ返された。



「まだ離れんなって…。」



少し呆れながらも優しく私を包み込んでくれる祐。



なんだか幸せな気持ちになった。



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