同じ願いで



祐は隣に座っただけで寝転がらなかった。




「祐、空綺麗だよ。」



そう言って見上げた空はとても快晴だった。



「見ないの⁇」



「ん。」



聞いてみるけど、返事はほぼないようなもんだ。



まあ、いっか。



すると、祐の右手がコツンと私の左手に当たった。



スルリと指を絡めてきて、いわゆる"恋人つなぎ"をした。




トクトクと小さくなる心臓。



亜子たちにバレないかな…



でも、今更バレてもね。



どうせ亜子たちもラブラブしてるだろうし。



「それで、萌音‼︎」




思い出したように大声で私の名前をよんだ亜子。




「な〜に⁇」



ホワホワした気分で返事をすると、亜子から怒られた。



「最初から説明して。」



今日の亜子はなんだか怖いなぁ〜…




普通に、なんで辞めるかって事を説明した。




「ってことで私、モデル業に専念することにしたから。」




その言葉を聞いて、みんな納得したような顔で笑った。



「頑張れよ‼︎」


「カップル二人ともモデルなんて、かっこいいね‼︎」



「これから会う時間すくなくなるな。」




それぞれ口々に呟くから私はそれを黙って聞いていた。



「萌音、頑張ってね♪」



「うんっ、亜子も何かあったら相談してね⁇」



「わかった‼︎萌音、だーいすき♪」



そう言って私に抱きついてきた亜子。




授業が終わるまでまだ時間があったらから、私たちはそこで遊んだ。
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