同じ願いで
起きて、仕事に行った。
本当に学校に行く時間がない。
俺はこのときから決めていた。
モデルをして生きるって。
それしか道がない。
バカな俺は大学になんかいけねーし
モデルをしてないと、食っていけねーからな。
「佐山さん入りまーす」
スタジオに入るときに必ず言われる言葉を聞き流しながら、カメラの前に立った。
今日は秋服の撮影。
まだ夏にもなってねーのに。
「祐くん、最近いいね〜。何かいいことあった⁇」
撮影がおわって、カメラマンに話しかけられた。
「あ、行方不明だった友達が帰ってきたんですよ」
そう言うと、びっくりしていた。
「行方不明って…萌音ちゃん⁇」
俺が出てる雑誌と萌音が出てた雑誌は仲がいいから、よく一緒に撮影したりしていた。
だから、その分カメラマンたちはほとんど萌音との事を知っている。
「いや、萌音じゃないですよ。友達の彼女です」
そういうと、少しがっかりしていた。
「萌音ちゃん、早く見つかるといいね」
そう優しい言葉をかけられながら俺は着替えた。