同じ願いで


「杉ちゃん‼︎なんでいんの⁇」



杉ちゃんはみんなから親しまれてるし、俺も大好きなんだ。




「祐がいるって聞いたからきてみた」



そういって顔の前でピースした。




「ちょっと俺、この写真もらっていくわ」



そう言って、さっき撮った俺の写真も3枚くらい持って帰っていった。



なんだったんだろう⁇



俺の写真、何に使うんだろう⁇



杉ちゃんはたまに訳のわからない行動をするからな。



また今回も、そうだと思っていた。




杉ちゃんが帰って俺も空港に向かった。



空港にはなぜかたくさんの人がいた。




みんな俺のファンらしい。



人気になったと実感できるから嬉しい。



ファンに手を振ると、ファンは悲鳴にも似た歓声をあげた。




遠目でファンを見てると、サングラスに帽子、マスクという明らかに変装してる女がいた。




「…も…ね⁇」



それは明らかに萌音だった。



俺が見間違えるはずはない。



背の高さだって、顔の形だって、あのサングラスも見たことがある。



萌音だ…



「祐、はやく‼︎」




その場で立ち止まってしまっていた俺を森山が急かした。





そのあいだ、萌音は後ろを向いて逃げてしまった。




本当に…萌音だよな…⁇




帰りの飛行機はそればかりが頭を回っていて、撮影で疲れていたが眠れなかった。

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