同じ願いで



みんな、それぞれの道を歩んでいる。




彼女とも仲良くしている。





俺は…⁇





萌音がいなくなって1年半。




何も変わったことはない。




萌音への気持ちもずっと変わらない。




今すぐにでも萌音に会いたい。




なのに、時間がない。




これからも時間ができる気がしない。




じゃあ、俺はどうすればいい⁇




ただひたすら仕事をして、彼女すらも作らないのか⁇




ずっと萌音のことだけを思って仕事をするのか⁇




終わりの見えない未来がある。




「おい、森山」




「お前…いつからそんな偉くなったんだよ」




すぐ近くで、若干呆れながらそう言う森山を手招きした。





「な、俺って休みねぇの⁇」




そう言うと、当たり前のように無いと言われた。




「な、森山」



「さっきからなんだよ」



森山がだんだんイライラしてきた。



「俺、沖縄行きたい」




その言葉を聞くなり、森山はため息をついた。




やっぱり、ダメだよな〜…





「なんでそんなに行きてぇの⁇今、冬だぞ」




今は、12月。



でも…




「季節なんかどーでもいんだよ」




するとまた、ため息をついた森山。





「いつかスケジュールに入れてやるよ」




そういって手帳を開きだした森山。




え、森山ってそんな権力あんの⁇





「でもその代わり‼︎」



そう大声を出し俺を指差した森山。



こいつ、たまに変だよな。




「沖縄で写真集を完成させること。3日でな」




は、写真集⁇




しかも、3日⁉︎




それ、拷問だろ…




「そしたら残りの4日は自由だ」




4日も…



頑張ろう。




「やる‼︎行く。」




「そう言うと思ったよ。一週間で撮る計画だったけど、祐の頑張り次第だな。」




俺の、頑張り次第…





「それ、いつ行くんだ⁇」





「んーと…」




そういって、ペラペラと手帳のページをめくる。




え、そんなに先なのか⁇




やばいくらいページめくったよな⁇



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