同じ願いで


「華は⁉︎あっ、いた‼︎華〜♪」





うしろから、華ちゃんを呼ぶ声がした。




ビックリするくらい高いテンションだったから思わず振り向くと、そこにいたのは萌音の母親の愛羅だった。






萌音の母親と華ちゃんって、なんの繋がりがあんの⁇





「あの、愛羅さんですよね⁇」





おれは何も迷わず萌音の母親のところに行って話しかけた。




「そうよ〜♪今日、華と撮ったのよね⁇」




「はい。あの、華ちゃんとどういう関係なんですか⁇」





俺、自分でも単刀直入だなって思ったよ。




こんなの、赤の他人から聞かれても教えるわけねぇよな。





でも、意外と教えてくれた。





「後輩の子供なの‼︎かわいいでしょ〜」





そう言って自慢げにする萌音の母親。





そっか…。




後輩ってことはモデル繋がりだろうし、そりゃあ可愛い子が生まれてくるだろうな。





なんだか納得できた。




「あの、萌音って今どこにいるんですか⁇変なこと聞いてるってわかってます…。でも」





「萌音、一緒じゃないの⁉︎」





え…




萌音、母親と一緒じゃねぇの…⁇




じゃあ、本当にどこにいるんだ⁇





「この間、華と萌音が撮ってたからその時に会ったけど…。萌音、東京じゃないの⁇」





萌音の母親は明らかに心配そうな顔になった。






嘘だろ…





俺が5ヶ月間、沖縄に行くために頑張ったのは全部無駄なことだったのか…⁇





一気に力が抜けた気がした。




でも、ここまで来たんだから探すだけ探そう。





俺のことだから、探さないと後悔するだろうしな。




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