同じ願いで


朝起きると、まだ6時だった。




早起きする習慣がついてるって、いいことだな。





いつもより遅い目覚めだったけど、まだ時間に余裕はあるはず。




でも、一刻も早く探しに行きたい俺は急いで着替えて7時にはホテルを出た。




まずは、萌音が載っていた雑誌の撮影場所に行ってみる。




そこではなんの情報も得られなかった。





って俺、サングラスにマスクに帽子っていう典型的な変装の仕方だけど不審者に間違われねぇかな。





めんどくさいことは避けたいからな。




ちょっと心配になった俺はマスクを顎にかけるという作戦にでた。




すると、周りからヒソヒソと話し声が聞こえた。




「あれ…、祐……」



全部は聞き取れなかったけど、祐って聞こえたから顎マスクをやめた。





この髪型は意外と目立つしなぁ。




結局おれは、そのままの格好で探すことにした。





それから、たくさんのスタジオに行ってみるものの、なにもためになるような情報はなかった。





「どこにいんだよ…」




気がつけば辺りは夕日に照らされ赤くなっていた。




とりあえず気持ちをリフレッシュするために海にやってきた。





あぁ、そっか。




明日はあの島に行ってみよう。




海の向こうに見えた小さな島。




たしか、萌音の母親の家もフェリーに乗って行ったって言ってたな。





このまま見つからなかったらどうしよう。




って、弱気になったらダメだよな。
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