同じ願いで
次の日も早くホテルを出て萌音を探しに行った。
昨日見たあの島に行った。
どうやら車で行けたらしく、この島に萌音の母親はいない気がした。
それからいろいろな島を訪れた。
フェリーで行く島に行っても、萌音の母親は見つからなかった。
萌音の母親は、絶対何か隠してる。
そう思って疑わなかったから、俺は萌音の母親を探すことにしていた。
ある島にフェリーで移動してるとき、ふと気づくともう夕方になっていた。
今からホテルに戻る時間もないし、俺はこの島でホテルを探すことにした。
海の近くにいいホテルを見つけた俺は、まずそこにチェックインしてまた近くを探しに行った。
やっぱり、いねぇよな…
実際はそんな運よく進まねぇよな。
もう、クタクタだし、少し夜の海を眺めることにした。
もう、萌音を探すことができるのは、明日だけ。
萌音…お願いだから、俺の前に出てきてよ。
「はぁ…」
今日のうちに何回ため息をついただろうか。
ため息をついたら幸せが逃げるっていうしな。
「よしっ」
1人で気合を入れてホテルに帰った。
俺って、地味に海が好きなのな。
ホテルの部屋からもずっと海を眺めていた。
部屋は一階にしたから、すぐにでも海に出れる。
ぼーっとしていると、そこに2組の親子がやってきた。
遠いからよく見えねぇけど友達同士だろうか。
2人の女の子が1人ずつ赤ちゃんを抱っこしている。
いいな。あいつらは幸せなんだろうな。
1人で考えていると虚しくなった。
だから俺は軽くシャワーを浴びることにした。