同じ願いで


シャワーを浴びてすっきりしたものの、少し暑かったので窓を開けることにした。





すると、さっきも見た親子がまだいた。




さっきよりも近くに来ていたが、暗闇だったのでよく顔が見えなかった。





窓を開けてテレビを見ていると、さっきの親子の声だろうか。




とても楽しそうな笑い声が聞こえてくる。




その笑い声を聞いてて、俺はテレビを見る気をなくしてしまった。




また窓辺に座って、ボーッとした。




すると、だんだんウトウトしてきてしまった。





もう俺、疲れたよ…




なあ、萌音。




「会いたいよ…」




ボソッと呟いたおれ。




"大丈夫〜⁇"





そう言って笑う萌音の顔が浮かんできた。





あぁ、萌音に会いたいのに会えないから、幻を見てるんだ。






いつから俺、こんなに弱くなったんだろう。




< 205 / 296 >

この作品をシェア

pagetop