同じ願いで
「祐、どうしたの⁇」
そう聞くと私の隣にやってきた。
「俺もこっちだから。」
あ、そっか。
朝見かけたんだから、いるよね。
「どの電車に乗るの⁇」
「次の電車。」
次の電車って…
私と同じじゃん!
「私と同じだね!どこに住んでんの⁇」
「おれは~…。どこって言ったらいんだろーな。」
「え。」
曖昧な反応に、ちょっとイラってしたけど、そういえば私も家の周りに目立つ建物なんてないし…。
「キリンの公園知ってる⁇」
キリンの公園とは、大きなキリンの滑り台があり首の部分が滑れる。
そして胴体の部分は空洞になっていて、かくれんぼなんかしてると最高の場所だ。
ほかにも遊具はあるけど、キリンの滑り台しか目立っていない。
大きすぎるから。
その公園は、私がこの街に引っ越してからいつも眺めていた場所。
「その公園を通り過ぎたところに俺の家がある。」
「そっか。なら意外と近いんだね。」
近いことにびっくりしつつも、電車がきたからそれに乗った。