同じ願いで
「萌音…⁇」
田中さんはワケがわからないって顔をしている。
そりゃあ、そうだよね…。
「子供を産むから、もうモデルとしてやっていけないかもしれないでしょ⁇それに…」
私は言葉をつまらせた。
それに…
祐は、まだモデルをやりたいと思うから…
だから、私は何も告げずに姿を消すの。
それが…
なんだか、祐のためになりそうだから。
優しい祐のことだから
モデルも学校もやめて働く。なんて言いそうだから。
でも今、田中さんにそれを言ったら、もう後戻りはできないんだよね…
どうしよう⁇
赤ちゃんができたのは祐だけの責任じゃないってことはわかってるから。
だから、祐に迷惑はかけたくない。
祐の夢を邪魔したくない。
祐の将来を邪魔したくないの。
「祐は、優しい人だから…。そんな人の夢を壊したくないの」
田中さんに目で訴えた。