同じ願いで




もう、あと2週間後が予定日になった。







今日はいつもよりお腹が張ってる気がする。






その事をお母さんに伝えると、念のために病院に連れて行かれた。






「あ〜、今日中にうまれますね。」





私を診察してくれた先生がアッサリと告げた。





「今日中に生まれるんですか⁇」





「生まれるから、入院の準備してまた来てください」





それだけ言われ、一時帰宅。






何事もなさすぎて、いつも通りすぎて、なんだか信じられない。






「本当に生まれるの⁇」






「って、先生が言ってるから生まれるんじゃない⁇頑張りなさいよ〜」






私は初めての出産でこんなにもドキドキしてるっていうのに、お母さんは他人事って感じ。






はぁあ〜…




自然と緊張してくるし、不安で胸が潰れそうになる。





私、ちゃんと産めるのかな…





そんな事を思いながら、玄関に置いていた入院用のカバンを手にとり車に乗ってお母さんに病院まで送ってもらった。







陣痛がきても、すぐに生まれるとは限らないので陣痛がくるまでの間、お母さんは家に帰ってもらった。






「少しでも異変があったりしたら、これ押してね。我慢は絶対にしたらダメだからね」





看護婦さんはそれだけ言って病室から出て行った。





我慢っていうか…





痛いのは痛いってハッキリ言うから、そんな心配はない。






私にはなんの変化もなく、夕方になっても少しお腹が張ってるだけだった。






だから、まったりテレビなんか見てた。






祐がいる…




笑ってるから、私はそれだけで幸せ。





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