同じ願いで


「…っ…ふぇっ…」





ふと、可愛い声が聞こえた。




それはだんだんとはっきりとしたものに変わっていった。





「元気な女の子ですよ〜」




その言葉とともに、チラリと見えた赤ちゃん。



ちっちゃくて可愛い…





元気いっぱいに泣いていた。






でも、私にはまたすぐ痛みが襲ってきた。





「はい、上手〜」




そんな言葉をたくさんかけられた。





「あと少しだよ〜」





その言葉を聞いて、また私はやる気を出した。





痛いけど…





今頑張ったら、赤ちゃんに会える…





そしてすぐ、2人目も生まれた。




「元気な女の子ですよ〜」





満面の笑みでそう言ってくれる助産師さん。





今、初めてやっと助産師さんの顔をよく見た気がした。






すると、処置を終えた1人目の女の子がやってきた。






「ちっちゃい…」





その子を見ると、私にも祐にも似てるところがあり、泣けてくる…





自然とポロポロ涙を流しながら赤ちゃんの手を握った。





「…ママ…だよ…⁇」





すると、もう1人の赤ちゃんもやってきた。






この子は、完全に祐に似てる。





「生まれてきてくれて…ありがとうね…」





たくさんの涙で近くのタオルを濡らしながら、赤ちゃんに喋りかけた。





あまり似てないから、二卵性なのかな…





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