同じ願いで
2週間後、私は退院した。
スヤスヤと気持ちよさそうに眠る咲華を抱っこして、私はお母さんの待つ車へ向かった。
舞音はもう、お母さんによって車に乗せられている。
「今までありがとうございました」
咲華を車に乗せて、もう一度私は見送りに来てくれた看護婦さんにお辞儀をして車に乗った。
久しぶりの外だ〜
なんだかこの前はすごく痛い思いをしながらここに座って痛みに耐えていたんだよね。
車の中でしみじみとそんなことを考えていた。
「とうちゃ〜く」
「いえ〜い♪」
無駄にテンションが高い私たち。
さっきと同じように私が咲華を抱っこして、お母さんが舞音を抱っこして車から降りると、杉ちゃんがいた。
「杉ちゃん⁉︎なんで⁉︎」
「そんな驚くことか⁇」
若干呆れながらも、お母さんの腕でグッスリと眠っている舞音をお母さんから受け取っていた。
「杉ちゃん、祐が来るのはいつ⁇」
私はいてもたってもいられず、杉ちゃんに問いかけてみた。
「今は何月何日だ⁇」
今日は〜
えっと、2月4日だよね⁇
「おぉ、2月4日か‼︎じゃあ、丁度10カ月後だな。これでもちょっと早くなったほうだからな」
そうペラペラと漫才師のように喋り出す杉ちゃん。
すると咲華が腕の中で小さく泣き始めた。
お腹が空いたのかな〜⁇
私は咲華をベビーベッドに寝かせ、ミルクを作ることにした。