同じ願いで


咲華も楽しそうに笑ってる。






「萌音、もう撮影終わったみたいだけど…咲華どうする⁇」






私が咲華の元にいくか、お母さんに行ってもらうかってことだよね。






「ごめん…やっぱり、会わす顔がないよ…」






こんな中途半端な気持ちでここまでやってきたわけじゃない。






「わかった。じゃあ行ってくるね」





「咲華じゃなくて、華だからね⁇間違えないでよ⁇」





そう言うと、お母さんは親指を立て、グッドマークをした。






「はーなー‼︎はな、どこ〜⁇」






お母さんの大きな声がここまで聞こえてくる。





もう、お母さんたら…






「舞音〜、祐だよ」





そう言ってみるけど、舞音は気持ちよさそうに夢の中。





いっつもテレビや写真でしか見たことない祐が、実際にいるっていうのに舞音はマイペースだね。






起こそうかとも思ったけど、少し微熱もあったし寝かせることにした。







ふと窓の外を見ると、お母さんと祐が話してた。





何話してるんだろう。





おかあさん、変なことは言ってないよね⁇





それからすぐ、お母さんは咲華と一緒に車に戻ってきた。





お母さんの運転する車に乗りながら、私も少しだけ眠った。
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