同じ願いで
「…隣、いいかな…⁇」
砂浜にしゃがみこむ私の隣に青年がやってきた。
黒縁メガネにマスクをしているから、顔はあまりわかんないけど…
髪型から、爽やかなんだと思う。
「あっ…どうぞ〜…」
これが、祐だったらどれだけいいだろう。
「元気ないね⁇」
「大好きな人が、迎えに来ないんです...」
「そう…あのさぁ…」
「えっ⁉︎」
急に声が変わったその人。
さっきまで少しだけ可愛い声だったのに、一気に低くなった。
「子供たち、元気?オレ、芽依に会いたいんだけど。」
「…え?……ゆ…う?」
「やっと気付いた。おせーよ。」
その人はメガネとマスクを取って、髪の毛を手慣れた様子でクシャクシャっとした。
「ゆうだ…」
「お待たせ」
「おそいよ〜…ばか…」
「ごめんな。おいで?」
手を広げて私を見つめる祐。
私はその腕の中にダイブした。
「うあっ。強いな」
「いいの〜っ」
勢いよくダイブしすぎた私に驚く祐だけど、今日だけは許してね?