同じ願いで
それから私たちは、今住んでる実家を出て東京にやってきた。
これからは、祐が買ったという大きな一軒家に住む。
やっぱ祐、人気だからお金もたくさんあるんだよね。
なんだか、私も仕事がしたくなってきたな〜
そんなことを思いながら、私はテキパキと荷物を片付けた。
でも、今は育児があるし、双子の送迎だって私がしないといけないからムリだよね。
芽依はママっ子だから、私から離れようとしないし、モデルとしてなにかするのはまだ先になりそう。
って、モデルするとは限らないしね〜。
「なあ、萌音。」
「なーに?」
荷物を片付ける私の手を掴んで、祐は真っ直ぐに私を見つめた。
吸い込まれそうな黒い瞳。
着飾っていない、ダボダボのスウェットを着ててもかっこいい祐はずるい。。
私も負けずに祐を見つめ返す。
何分間だろうか、何秒だろうかわからないけど、時が止まったような気がした。