同じ願いで


「萌音、結婚しよう」





止まった時の中で、祐がゆっくりと言ったその言葉で私はハッとした。





結婚…




私と、結婚…?




私と祐は目をそらすことなく見つめ合う。





でも私の目には涙が溜まっていて、それが溢れるまでに時間は長くなかった。





「返事は…?」





「私…いいのっ…?」





「萌音がいい。萌音じゃないとダメ。」





私の涙を指で拭いながら、そんな言葉を言うなんて、反則だよ…





「祐と…結婚する…」





「よろしくね、俺の奥さん♪」




私の返事を聞いて、一気に機嫌が良くなった祐。




すると、片付けをするスピードも速くなって、片付けはすぐに終わった。





それが終わると、いつもらってきたのか婚姻届を渡された。





「祐、書かないの?」




「俺、字汚いから」




「も〜…」





そういう祐のせいで、ほとんど私が書くことになった。





緊張して、全く綺麗に書けなかったけど…





まあ、読めれば大丈夫だよね?

< 260 / 296 >

この作品をシェア

pagetop