同じ願いで
そう言われて着いたところは見たこともないところだった。
でも…
「式場!?」
なぜか、式場にいた。
どうしようっ…
誰かの結婚式だったかな…?
だれが結婚したのかな…?
どうしよう、ちゃんとした服装じゃないし…
うわあ〜…
なんだか、頭がゴチャゴチャになってきてしまった。
「ハハッ。ほら、行くぞ」
アタフタする私を見て軽く笑った祐は、私の手を引っ張り式場の中に歩き出した。
「えぇ〜、ちょっと…」
中に入ってみると、たくさんの人がいた。
「お、やっときた。」
入ってすぐに話しかけてきたのは、慎也と亜子。
亜子の腕には、最近産まれた誠(まこと)君が抱かれていた。
「今日、誰の結婚式なの?」
亜子に聞いてもニコニコするだけ。
「萌音って、ほんとに鈍感だね〜」
亜子に頭をヨシヨシされて、また祐に手を引っ張られた。
「えっ、ちょ、待っ…」
「お前、この部屋入れ。」
言われた通りに入ってみる。
ドレス…?
そこには、ウェディングドレスがたくさんあった。
「綺麗…」
ウェディングドレスを手にとって見ていると、いきなりドアがノックされた。
ーガチャ
入ってきたのは、亜子と慎也だった。
「萌音、気に入ったのあった?」
「へ?」
気に入ったの?
「どれも可愛いね」
「そうじゃなくて〜。どれが着たい?」
「え!?私が着るの?」
ってことは、私たちの結婚式ってこと…?
「わたし…」
目に涙をいっぱい溜めてる私を見て、亜子は呆れながらも笑っていた。
「も〜。早くドレス決めてよね」
「うん。…コレがいいな」
私が指差したのは、胸元にキラキラと輝くラメがあって、とてもシンプルだけど可愛いドレスにした。