同じ願いで


それから、亜子にドレスを着せてもらい、メイクをしてもらった。






慎也には髪の毛をセットしてもらった。







二人とも、お互いが美容専門学校を出てるからこういうのが仕事なの。





手慣れた様子で私を変身させてくれた2人。






「完成♪」





2人でしたから、とても早く準備ができた。





「ありがとうね!」





私は笑顔でお礼を言って、鏡の前でクルリと一回転した。






「外で祐が待ってるぞ。」




慎也にそう言われて私は勢いよく外に出た。





祐は、コッチに背中を向けて誰かと話してる。






気づかれないように走って祐のところに行き、勢いよく背中に抱きついた。






「うおっ」




祐はとてもびっくりしていた。




でもそれよりも…




「祐、ありがとう…すっごくカッコいいよ!」





私、ずっとこの祐を見ていられるよ…





それくらい、本当にカッコいい。




絶対、私、顔赤いよ。





「萌音も可愛いからね」





そう言って笑う祐。





それから少しして、教会に行った。





お母さんと、育ての両親も来てくれていたし、モデル仲間も来てくれていた。






もちろん、撮影のスタッフさんもいて、カメラマンでもある杉ちゃんが沢山の写真を撮ってくれた。






私は育ててくれたお父さんと一緒に並んで歩き、祐の元へ行った。







神父さんが何か言っていたけど、私に外国語が通じる訳もなく、ただただ緊張していた。





そして指輪を交換して、キスをした。





知り合いの前でするキスは、恥ずかしいどころじゃない。






本当に、意識がなくなるくらい緊張していたし、正直あまり覚えていない。





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