同じ願いで
その夜、天音が私の家にやってきた。
「どうしたの!?」
鼻の頭は赤くなって、目も赤くなって晴れてるし…
なんで泣いてるの?
黙ったままの天音。
「まあ、とりあえず上がって…?」
中に通すと、いつもの元気な天音からは想像もできないくらい、静かだった。
いつもなら天音が来ると喜んでいた子供達も、今日はとてもおとなしい。
「咲華〜、舞音と2人でお風呂入ってきて!」
芽依は私と一緒じゃないと危ないから、1人で遊ばせておくことにした。
「で…」
「私、赤ちゃんできたの…」
私の言葉を遮るように天音は弱々しく呟いた。
ってか、妊娠…?
「それで?」
お母さんも私も、正直できちゃった婚になる。
だから天音も何も心配することないと思うんだけど…
なにか、ほかに理由があるんだよ。
「でも私、その彼と別れてて…このこと言ったらお金あげるからって…」
お金で解決するような話なの…?
絶対違うよね...
「天音は産みたいの?」
「当たり前でしょ!そうじゃなきゃこんなに悩まない。」
だよね…
「それに彼、堕したか証明できるものを持ってこいって…」
証明できるものって…
「もうその彼と会ったらダメ。産みたいって気持ちが強いなら、別れて別の道を歩む方がいいと思う。親権は天音なんだから」
「そう…だよね」