同じ願いで
「咲華と舞音は学校いかないの〜?」
仕事で休むときの方が多いけど、最近は何もない日でも学校を休んでる。
いわゆる、不登校ってやつ。
仕事を頑張ってるし、私はガミガミ言うつもりはない。
自分だってサボってたりしてたのに、子供にはそんなこと言うなんて、なんか嫌だからね。
でも子を思う親の気持ちからすると、学校には行ってほしいな…
「いかない。ウザいし。」
はいはい。年頃の女の子なのね。
色々あると思うし、行きたい時にいけばいい。
「ただいま〜」
「あ!パパ!」
祐が帰ってきたのか、杏菜が玄関へと走って行った。
それについていくかのように、双子の兄の隼人も玄関へと行ってしまった。
「ただいま」
杏菜と隼人を両手に抱えて祐がリビングにやってきた。
「おかえり〜。あっ、髪の毛!」
祐は、役作りのためか、横髪を刈り上げている。
「あのね、今日大輝が…」
すると大輝の方をチラッと見た祐が、いきなり笑いだした。
「おい大輝、だせぇ髪してんなー。」
って、えぇ!?
大輝は傷ついてるのに…
祐って、言い方がたまにキツイ。
「今から慎也んとこ行ってくるわ」
そう言って大輝と、なぜか一輝も連れて出て行ってしまった。
「パパ…」
杏菜が寂しそうな顔をしたから、私はすぐに杏菜のところに行って抱っこをしてあげる。
杏菜は寂しいとすぐ泣くからね。
まあ、それだけだったらいいんだけど泣き始めると、なかなか泣き止まないから大変なんだよね。