同じ願いで
「はあっ、はぁっ……っ…。」
グラウンドを出て、すぐ近くの空き教室に入った。
「うぅ……っ…。」
声を押し殺して泣いた。
私……
どうしよう…
祐の事が好きになっちゃった。
こんなの、祐に知られたら重たい女だって思われちゃう…
「もう~…。」
-ガラガラガラガラ
1人でボソッと文句をいったらいきなり扉が開いた。
「それでさ~、マジあいつきもいのよ。」
うわあ…。
誰だろう。最悪だなあ…
泣き顔見られたくない…
お願い、来ないで…
出て行って…‼︎
空き教室の教卓の陰に隠れていた私はバレないわけがなく、すぐに見つかってしまった。
「あれ~⁇こんなとこに可愛い子。ね、俺らとサボんない⁇」
顔をあげるとそこには、髪の毛を遊びまくっている、いかにも不良ですって感じの人が5人いた。
「えっ…。あの…、えっと…」
断ろうにも言葉が出てこず、不良はどんどん迫ってくる。
そのとき、どこかで聞いたことあるような、でもとても低い声が聞こえた。
「先輩~、何してくれてんですか~。また俺に潰されたい⁇」
「…慎也…く…ん⁇」
顔をあげると、そこにいたのはとても怖い顔をした慎也くんだった。