同じ願いで
「おい、こいつあの木下慎也か⁇」
不良の人がコソコソ話してるけど、声は丸聞こえ。
「あぁ。おれがその木下慎也だけど⁇なに⁇」
その言葉を聞いた不良たちは、サッと顔が青ざめ ヤバいヤバい。なんて言って去っていった。
…慎也くんって、なにもの…⁉︎
不良が出て行く最後まで睨みつけていた慎也は、私の方を向くとすぐにいつもの顔になった。
「ごめんね、萌音ちゃん。驚かせちゃった⁇」
あはは。って気まずそうに笑う慎也くんと。
「ううん。助けてくれてありがとう。」
ニコッと微笑むと、頭をポンポンと叩かれた。
少しびっくりしたけど、私が急に走って逃げた事のほうがびっくりするよね…。
「慎也くん、いきなりごめんね…。」
「いや、気にすんなって。それより萌音ちゃん…祐の事 好きだろ⁇」
「え⁇」
なんでばれてるの⁇
「ねぇ…好き⁇」
「うん…。」
「俺も…」
何か言いかけたけど、慎也くんはやめてしまった。
「やっぱなんでもない。教室に帰ろっか。」
うん
そう言って、2人で教室に戻った。