同じ願いで
「私たち、双子なの。」
そう言われた。
天音、急にどうしたの…⁇
冗談キツイよ…
「天音と…私が…双子……⁇」
「そう。ごめんね、びっくりしたでしょ⁇」
「ウソだよね…⁇」
嘘じゃないよ。
天音の目を見たら言葉として聞こえなくてもわかる、天音の声。
「萌音、母子手帳持ってる⁇」
母子手帳は…持ってる。
家にならあるよ…。
「じゃあ、今から萌音のこと言うから。」
そして、言ってもない私の情報をスラスラと言い出した。
「名前は萌音。血液型はA型。生年月日は3月17日。そして生まれた時間は、0時5分以降。」
どうかな、あってる⁇
そう私に聞くけど、私は当たりすぎて言葉がでなかった。
「信じてくれた⁇」
「ほんとに、双子なんだ…」
「ちなみに、ハイこれ。」
そういって私に一枚の写真を見せてきた。
そこには、2人の生まれたての写真だった。
私の顔は小さい頃から全く変わってなくて、すぐに自分だとわかった。
「それと、これも。」
そう言ってもう1枚の写真を見せてきた。
ベットの上で横たわるお母さんに抱えられている、2人の赤ちゃん。
お母さんの顔は見えなかった。
そして、左下に男の人のピースが写っていた。
これが、最初で最後の家族写真なのかな⁇
「今…天音は何をしているの⁇」
聞きたいことはたくさんあった。
「今は…働いてるよ。学校は保健室登校かな。」
「そっか。」
聞きたいことはたくさんあるのに、たくさんありすぎて頭の中がまわらない。
「萌音は⁇モデルやってるんだよね。」
「うん。でも、まだまだだよ。」
「それと…この間一緒に撮ってた男の人…。祐だったかな⁇その人と付き合ってるの⁇」
「うん、そうだよ。」
そう言うと天音は一瞬悲しそうな表情になった。
「天音は⁇彼氏とかいる⁇」
「いるよ。」
「そっか。」
なんだか会話が続かなくなってきた。
「そろそろ、帰ろっか。」
そう言われ立ち上がった。
「あ、ちなみに私が先に生まれたみたい。」
「そうなんだ。じゃあね、"お姉ちゃん''。」
そう言うと、少し頰を赤くして、
「お姉ちゃん、なんて照れるね~。」
って笑っていた。
「あ、忘れるところだった。ハイ。」
そう言って手渡された手紙。
「これ、私もまったく同じ手紙もってるから。萌音に宛てた手紙だろうからあげるね。」
それだけ言ってスタスタと帰っていった。