同じ願いで
家に帰って、すぐに母子手帳を探した。
意外とすぐに見つかり、確認した。
本当に私はA型だったし、生まれた日だって3月17日。
まあ、それはわかっていたんだけど…
天音は生まれた時間は0時5分以降って言ってたよね…
私が生まれたのは0時8分だった。
そっか、私は双子なんだ。
天音はお姉ちゃんなんだ。
やっと、本当の家族に会えた。
やっと、本当の家族と話せた。
それが嬉しくて涙が出てきた。
お父さんやお母さんとは話したことないけど、いつも羨ましかった。
反抗期 なんてのもなかったし、兄弟喧嘩だってなかった。
親子で歩く姿を見て、とても羨ましかった。
でもやっと、天音に会えた。
天音が私を探してくれなかったら…
そう思うと、天音に感謝でいっぱいになる。
私は短い間でも、お父さんとお母さんから愛されていたんだって。
あの最初で最後の家族写真を見てそう思えた。
初めてそう実感できた。
本当に、天音…ありがとう。
それから、最後に天音からもらった手紙を見た。
そこに書かれていたのは、たったの、一文だけだった。
"あなた達の名前はアネモネの花に由来しています。"
アネモネ⁇
どんな花だろう⁇
そう思って急いで調べた。
綺麗な、可愛らしい花。
私たちの産まれた季節に花が咲くらしい。
花言葉は…
儚い恋 恋の苦しみ 見捨てられた…
なんでそんな悲しい事ばかりなの⁇
お母さんはお父さんに捨てられたのかな…
だから、私たちもいらなくなったんだろうね…
その事実を知って、少しショックだった。
でも、今そんなことを知っても何も変わらない。
なのに涙が出てくるのはどうして…⁇