同じ願いで
そして、祐にも双子の姉がいたことを知らせた。
よかった。って今までで一番優しい声でそう言ってくれた。
スタジオに着いて、いつも通り着替える。
髪やメイクもしてもらい、私は撮影を始めた。
今日は1人。
撮影はスムーズにでき、着替えて今度は夏服の撮影をした。
今、冬だよ…⁇
もう、夏服かぁ…
っていうか、もう2年生になるんだよね…
この1年、ほんと良かったと思う。
「萌音ちゃん、お疲れ!今日はもうあがっていいよ。」
「は~い。お疲れ様でした~。」
そう言って、着替えるためにメイク室に行くと、美希がいた。
「美希‼︎」
「あっ、萌音だ~♪」
美希は、いつ会ってもフワフワニコニコしていて可愛い。
「今から撮影⁇」
「いや、私は今終わったの。祐くんと撮ってたんだよ♪」
「そうなんだ‼︎じゃあ、祐ももう終わったの⁇」
美希は、私たちが付き合っていることを知っている。
もちろん、凛も。
これは、秘密にしてもらっている。
「今から祐くんね、あっ君と撮るみたい。」
あっ君と言うのは美希の彼氏で、本当の名前は 敦己(アツキ)らしい。
「私、あっ君と一緒に帰るんだけど、萌音も祐くんと一緒に帰ったら⁇」
そう言われ、2人でメイク室を占領しながら祐と敦己くんを待っていた。
その間、スタイリストさんが大きなダンボールを抱えて入ってきた。
「あ、美希ちゃんと萌音ちゃんじゃない。」
私たちを見つけて、ガッツポーズをした。
「どうしたんですか⁇(笑)」
なんて、笑いながら聞くと、嬉しいことを言ってくれた。
「この服、いらないからもらってくれない⁇一回しか着てないからさっ」
お願いって手を合わせた。
「喜んでもらいますよ‼︎」
そう言って私たちは服を選び始めた。
この時間は美希とショッピングに来たみたいで、とても楽しかった。
ほとんど春物や夏物だったし、ほんと私ってツイてる。
白いワンピースやニット、スカートやズボンなど、いろんな服をもらった。
美希もたくさんの服をもらっていて、とても嬉しそうだった。