同じ願いで

そして、祐にも双子の姉がいたことを知らせた。




よかった。って今までで一番優しい声でそう言ってくれた。




スタジオに着いて、いつも通り着替える。


髪やメイクもしてもらい、私は撮影を始めた。



今日は1人。


撮影はスムーズにでき、着替えて今度は夏服の撮影をした。



今、冬だよ…⁇



もう、夏服かぁ…



っていうか、もう2年生になるんだよね…




この1年、ほんと良かったと思う。




「萌音ちゃん、お疲れ!今日はもうあがっていいよ。」



「は~い。お疲れ様でした~。」



そう言って、着替えるためにメイク室に行くと、美希がいた。



「美希‼︎」


「あっ、萌音だ~♪」



美希は、いつ会ってもフワフワニコニコしていて可愛い。



「今から撮影⁇」



「いや、私は今終わったの。祐くんと撮ってたんだよ♪」



「そうなんだ‼︎じゃあ、祐ももう終わったの⁇」



美希は、私たちが付き合っていることを知っている。



もちろん、凛も。


これは、秘密にしてもらっている。



「今から祐くんね、あっ君と撮るみたい。」



あっ君と言うのは美希の彼氏で、本当の名前は 敦己(アツキ)らしい。





「私、あっ君と一緒に帰るんだけど、萌音も祐くんと一緒に帰ったら⁇」



そう言われ、2人でメイク室を占領しながら祐と敦己くんを待っていた。


その間、スタイリストさんが大きなダンボールを抱えて入ってきた。



「あ、美希ちゃんと萌音ちゃんじゃない。」



私たちを見つけて、ガッツポーズをした。


「どうしたんですか⁇(笑)」


なんて、笑いながら聞くと、嬉しいことを言ってくれた。



「この服、いらないからもらってくれない⁇一回しか着てないからさっ」



お願いって手を合わせた。



「喜んでもらいますよ‼︎」



そう言って私たちは服を選び始めた。



この時間は美希とショッピングに来たみたいで、とても楽しかった。



ほとんど春物や夏物だったし、ほんと私ってツイてる。




白いワンピースやニット、スカートやズボンなど、いろんな服をもらった。



美希もたくさんの服をもらっていて、とても嬉しそうだった。



< 84 / 296 >

この作品をシェア

pagetop