愛結の隣に悠ちゃん
高校受験をするとき、友里亜はずっと夢を見たいた美容関係の仕事をしたいということで祖父母が住んでいる関東へ戻り専門へ進んだ。
修は元々勉強が得意ではないために、中学を卒業後は親戚の店の手伝いで仕事をしながら高卒の資格を取るための勉強ということで上京し、友里亜と同じように関東へ行った。
愛と良介は地元の進学校へ入学を決めた。
「修くんや友里亜とは違う学校か……寂しくなっちゃうね……」
学校の帰り道で愛が良介の手をぎゅっと握りながら不安そうに呟いた。
「しゃーないわ。二人とも自分の夢追ってるんやし」
良介が不安げな愛の表情を覗き込みながら言い、不馴れな笑みを浮かべて見せた。
「それに、私ら離れになったって連絡はするしさみしくなんかならないってぇ」
「せや。夏休みや冬休みなったら、みんなで集まって遊び行こーや」
友里亜と修の考えは、愛とは違いすごく楽観的であった。
「それに、愛は良介くんがいるし寂しくないでしょっ」
友里亜がくしゃりと愛の髪を撫で回して言う。卒業まであと少し、今の時間を大切にしようと愛は心の中で日に日にその思いを強くさせていた。
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「ふぇっ……やっぱ、寂しいっ……」
思いの外、一番泣いていたのは友里亜だった。
愛はまだ、我慢できる涙でそんなには泣いていなかった。
友里亜の姿を見て呆れてため息を吐く良介とお腹をかかえながらけらけらと笑う修。
本当に、これが最後。
これで、みんなとばいばいすることになるなんて……そう思うと愛は三人に思い切り抱きついた。
「東京行っても、遊ぼうね……!!愛と良くんは、待ってるよ!!」
涙をためた目で二人に告げた。
本当、大好きだよと心の中で呟いて。