愛結の隣に悠ちゃん
クリアは突然に
「……愛ちゃんと良介さんの娘ちゃんよね?……これは、君にあるべき記憶だから、あげる」
神が愛結の額に人差し指をくっつけて、愛結の頭の中に愛の記憶をインプットさせる。
「ぱぱとままに……そんなことがあったなんて」
「今もお父さんとお母さんは愛結ちゃんのことを見守っているの。心配しないで」
にこりと微笑みながら愛結を安心させるように言う神。
「あのっ、ここには……」
「うん、知ってる。おばさんにどうにかしてって言われたんでしょ?ったく……」
分かりきっていたと言えばふぅ、とため息を吐く。
「というか……あのおじさんに気に入られてるだけだってのに……知らないっての」
神ががしがしと荒々しく頭を掻く。
「おじさんって……?」
愛結がきょとんと首をかしげて尋ねる。
「うーんとね、最年長の神様なんだよね。あ、ついでに言うと……そこのボーイフレンドは連れてっちゃダメ……とまでは、言わないけどおすすめしないね」
苦笑いしながら神が愛結に伝える。
愛結も悠人もその言葉には納得いかない。
「ふふっ、まあ、熱くならないでよ。……気を付けなよ、おじさんのとこいくんなら」
真剣な眼差しを愛結に向けて言う。
「ふふっ。あ、私のとこは条件とかないから、おじさんの気をおばさんな向けといてね。そしたらこっちもスッキリだしあのおばさんの願いも叶うんだからね!」
自然と告げられた三つ目の神社での条件がないということ。
それを聞くと、ぽかんとしてしまう。
しかし、ありがたい限りだ。
これで、また一歩願いを叶えてもらえることな近づけることができたのだから。