愛結の隣に悠ちゃん


友里亜と財前が付き合いだして時間が経ち、友里亜は財前と忍足といるようになった。相変わらず女子の友達はいない。

そんなとき、やってきたのが上がりまくった転校生の愛である。
女友達を作る絶好のチャンスだとは思ったが自分から話しかける勇気は全くない。

「友里亜、話しかけてみぃや。女の子の友達ができるチャンスやで」

先生が愛について話をしているとき小声で伝えてきたのは財前。

忍足の方を視ると、これまでに見たことのない頬を赤く染めてぼうっとしている表情であった。

愛に目を奪われたのだ。

小さな背丈にふわふわした感じの女の子、忍足が好きな感じの雰囲気だ。

「良介の好きな子に話しかけるって思えばええやん、友里亜とも友達になれるし一石二鳥やで」

少し声が大きくなりガッツポーズをする財前。
得意気に言えば忍足にも聞こえており耳まで真っ赤にする。

「ちょ、うっさいな……」

軽く反抗すれば赤い顔のまま頬杖をついてそっぽを向く。
その態度から友里亜はくすくすと笑って本当にあの子に惚れてるんだなと気付いた。

そして、友里亜は愛に話しかけた。

緊張ぎみに初々しい態度で話す純粋な愛に友里亜は可愛いと思えた。その上、この子なら仲良くなれると確信することができたのだ。

そして、友里亜と愛が仲良くなり親友になるのには時間がかからなかった。

愛に一目惚れをした良介の恋も実るのに時間は全くかからなかった。

人生で初めて出来た女友達は、財前のお陰であるのだ。
人生において初めて付き合ったのは財前のお陰……とは、言いたくがないのだが認めざる終えないと過去を振り返れば日に日に友里亜は思うのであった。








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