愛結の隣に悠ちゃん


「神様は何が好きなんだろうねぇ……悠ちゃんは何が好き?」

「俺……俺は甘いものあんま食わないし……んー、あ、でもフルーツとかそーゆ甘いのは好きだぞ」

悠ちゃんは昔から誕生日やクリスマスのケーキは私にくれていた。
悠ちゃん、甘いもの苦手だったんだ。

「じゃあこれからは愛結のイチゴ悠ちゃんにあげるねっ」

愛結がふにゃりと緩い笑みを浮かべて言う。
悠人も柔らかい笑みを浮かべて優しく頭を撫でる。

「ありがとな……あ、そこのコンビニで買ったので良いんじゃね?」

悠人が指差すのは反対側の歩道にあるコンビニ。
最近のコンビニスイーツはレベルが高い。すごく美味しいのだ。
愛結自身、コンビニスイーツが大好きなために断る理由などなく、横断歩道を渡って反対側の歩道に行き自動ドアを通りすぎて店内に入る。

「わあ……美味しそう……」

愛結が目を輝かせて言う。
愛結は甘いものに目がない。その姿を見て悠人はくすりと笑う。

「愛結は自分のを買いな、俺はあの男のを買うから」

「ほんとっ!?やったあっ。どれにしようかなあ……」

ケースに並ぶスイーツを目を輝かせて見てどれにしようかと悩む愛結。
並ぶのは苺の乗ったショートケーキや大きな栗が美味しさをそそるモンブラン、柔らかいシュー生地が特徴のシュークリームなど。
愛結の心を揺するものばかりだ。

「神は……これでいいだろ」

悠人は適当に一番安いシュークリームを手に取り愛結が選び終えるのを待ち、愛結の嬉しそうな姿を頬を緩めながら見る。

「よし、会計行くぞ。愛結、先出て」

愛結の選んだのは苺の乗ったショートケーキ。
それを少々強引に奪えばレジに並ぶ。

そして、愛結は先にコンビニを出て外で待つことにした。


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