愛結の隣に悠ちゃん
「お前はほんとにそいつらが友達だと思っているのか?」
にやにやと笑いながら愛結に尋ねる。
愛結は当然というようにこくんと頷く。
「そいつらは、嘘をついているんだぞ?お前を利用して」
神はにやりと笑い愛結に言い、愛結はきょとんとしている。
そして、二人の方を見る。
二人とも心当たりがあり俯いてしまい暗い表情をしている。
「……え、どういうこと?花ちゃんも悠ちゃんも……嘘なんか……利用、なんて」
不安そうな表情をして二人の名前を呼ぶが、二人とも愛結と目を合わせようとしない。
「ねぇ……どうしたの?」
花にたいしてはゆっくりと口を動かして喋れば花はにこりと笑って安心した。
花が携帯のメール画面を開いて書いたのを見せた。
“ごめん、あいつの言ってることはほんとなの。今頭の中に言葉が届いて”と書いた。と、開き直るように笑ったのだ。しかし、愛結には心当たりがないから、なんのことだか分からない。
「……愛結、この子は……愛結と俺を離そうとしたんだ。俺に、気のあるフリをして……あの、赤い女の子も……関係あるんだよな?」
愛結に話した言葉をそのまま花に送れば、花はこくんと頷く。
「ははっ!お前もだろう……財前悠人……いや、火鏡崎野(ヒカガミザキノ)」
そう言えば悠人は姿を変え、水色の雰囲気を纏った着物を着た男が現れた。
「火鏡崎野、はっ。ロリコンってわけか?高校生相手に色恋沙汰とは」
口元に手を当ててくすりと笑えば火鏡崎野の目がぎろりと輝いて睨み付ける。
「黙っていろ!このバカ神がっ!」
火鏡崎野の辺りの雰囲気から氷の塊のようなものができてそれらが一気に神に向かって勢い良く飛ぶ。