キミの心を奪いたいんだ。
キミの心を奪いたいんだ。
赤信号でブレーキを踏んで停車したとき、俺はハンドルを握ったまま助手席をチラリと見た。助手席に座ってサイドウィンドウの外の景色を見ているのは、幼馴染みのアオイだ。今日は襟元がふわふわしてかわいいホワイトのシフォンブラウスにライトブルーのカーディガンを着て、ネイビーのスカートを合わせている。膝の上にはきちんと折りたたまれた白いコート。
凜とした横顔を、キレイだな、と思う。
それでも俺はアオイの好きな洋楽を聴きながら、何もしゃべらずに並んで座っている。この時間を俺は嬉しいと思っている。
でも。
アオイがずっと見ているのは俺ではなく窓の外。
今アオイは何を考えているんだろう……。彼女の心の中の目は誰を見つめているんだろう……。
アオイが高二のときから六年間ずっと見つめていたのは、俺とも幼馴染みのタツキだった。そのタツキにはこれまた幼馴染みのメグという彼女がいるという、俺コウタを含む四人の関係はややこしい四角関係だった。
ま、お気楽なタツキと鈍いメグは何も気づいちゃいないんだが。
凜とした横顔を、キレイだな、と思う。
それでも俺はアオイの好きな洋楽を聴きながら、何もしゃべらずに並んで座っている。この時間を俺は嬉しいと思っている。
でも。
アオイがずっと見ているのは俺ではなく窓の外。
今アオイは何を考えているんだろう……。彼女の心の中の目は誰を見つめているんだろう……。
アオイが高二のときから六年間ずっと見つめていたのは、俺とも幼馴染みのタツキだった。そのタツキにはこれまた幼馴染みのメグという彼女がいるという、俺コウタを含む四人の関係はややこしい四角関係だった。
ま、お気楽なタツキと鈍いメグは何も気づいちゃいないんだが。
< 1 / 12 >