夜の女神




「簡単な仕事だ。今夜から明日の夜にかけて御令嬢を守るだけ」

「…御令嬢…?」

「そう。親は議員でその日講演会を行ってから立食会が催される」


濡れた黒真珠のような瞳が女を見据え言葉の裏を読めと促した。






名前は、と短く問いかけた女にニヒルな笑みをこぼした男もまた短くクライアントの名をま だ朝日も昇り切らぬ部屋に響かせた。





「嗚呼、なるほどね。ちょっとだけ愉しそう」
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