一途なあなたが好きでした







「先輩。聞いて下さいよ! この人、前に私が誤って包丁で指をケガしちゃった時になんかすごい怒っちゃって。“君は料理を作るな! 俺が作るから”なんて言い出したんですよ? 指をケガしたらダメな仕事なのに、馬鹿ですよね?」
「馬鹿って…確かにそうだけど。ただ君にケガしてほしくなかったんだよ。 傷ついてる君を見たくないんだよ」



あなたが右に



「お母さん。先生が私と一緒に水族館に行ってくれない~」
「行くよ。でも、晴菜ちゃんのお母さんも一緒にね」
「嫌だ~。先生と二人で行きたい~」
「ごめんね。
デートは一人としか出来ないんだ」



あなたが左に



揺れて、揺れて、揺れて……。
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