一途なあなたが好きでした
私は晴菜の視線に会わせるためにその場にしゃがみこむ。


「うん。まだダメね」
「どうして?」
「どうしてって、まだおじさん達喋ってるでしょ?」
「おじさん達は喋ってるけど、私とお母さんは喋ってないよ?」
「喋ってないけど、待たなきゃ。前に教えたでしょ? 年が上の人から優先だって。晴菜はこの中で一番年が上なの?」
「ううん……」
「じゃあ、待たなきゃ」
「うん……」
「家に上がっていいですよ」
「瀬戸さん」
「本当?」
「はい」
「でも……お母さんが年が上の人から優先って…」
「今日は特別に年が下の人から優先にしよう」
「じゃあ、上がっていいの?」
「はい」
「やった!!」
晴菜は一回ジャンプすると、靴を脱ぎ捨て上がり。


ダッダッダッ……。


長い廊下を走る晴菜。


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