君と私の5年間。
奏人と話せないのは悲しいけど、イツメンと過ごすのは楽しかった。

......奏人の方をチラッ、と見ると楽しそうに親友の男子と話してるみたいで。

目も合わない、その現実は悲しくて、寂しくて。やがて、練習の2時間なんてあっという間に終わる。

自分の教室にもどれば、奏人の姿は当然ながら無かった。空虚だなぁ、なんて思いながら、疲れたからボーっとして理科の授業を受ける。

知らぬ間に寝てしまってて、理科担任のおばちゃん先生、藤原先生(♀)に、

「比奈さんー、また寝よったんえー?王子様のキスで目、覚ますんえー?」なんて言われて。

王子様も何もクソも、奏人とは別れたことになってるし。なんかみんザワザワと話してるし。

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