離れても君に、大好きと。
それが、知宏の存在ということでもある。
知宏は病院でものけ者扱いされそうだった私を助けてくれた。
隠れていた病院の裏庭で。
たまたま泣いていた私のことを見つけてくれた。
小学校4年生の秋。
『もう、逃げたらダメだよ?
ぼくがずーっとこはねちゃんのそばにいるって約束するから』
『……うん』
あの時は渋々頷いた。
今思えば何であんな恥ずかしい台詞を堂々と言えたのか、知宏に聞いてみたいけど。
この頃は初対面から図々しくしてた知宏のことをうざいとしか思わなかった。正直。
でもきっと、うざいの中になにかしら後々気付いた想いも入ってたのかな。
でも今は違う。
その、"あのこと"に気づいちゃったから。