ドラマチック・ロマンス
夜の空気は、なんとも不思議。





静けさが恥ずかしくなる・・・・







「花菜の家族、俺・・めっちゃ好きだ。」




伊吹は、そう言いながら白いボックスカーに私を乗せてくれた。





嬉しくて泣きそうになる・・・・





二人で同じ車に乗る。





「今から、すごくロマンチックなこと言っていい?」





「何?」




車に二人だけ乗ってると、不思議な気分になる。



星空にまるで二人きりになったような気持ちになる。




星たちが見守ってくれているような・・・






「この世に、伊吹と私だけになったような気分になる。」



走っている外は暗いし、周りは見えないし、この辺は人もいない。





隣で運転している伊吹を見る。




「伊吹は、なんでもかっこいいね。」




中学生の頃から人気者だったキミ・・・



大好きだったキミ・・・・




サッカーが上手なキミ・・・



走る姿がかっこいいキミ・・・・




「花菜さん・・・・・・・俺をどうしたいんだよ、おまえはよぉ〜」





「え?」




伊吹は、運転する速度を少し早めた。





そして、情けない声で言うんだ。




「あ〜・・・・・どうしたらいいかわかんねぇ・・・・・好きすぎて、どうしたらいいのかわかんねぇ。」





「そ、そんなの、私だって同じだよ!」





伊吹はモテるんだから、私のが心配なんだから・・・
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