ドラマチック・ロマンス
駅前の居酒屋に入った私たちは、お互い向かい合う形で座り、運ばれてくる料理や、お酒を口に運んでいた。



さっき少しの間だけど、繋いだ手。

‥‥‥な、なんで繋ぐんだっ!と心の中で思ったのは秘密で‥‥‥

もっと繋いでいたいって思ったのも秘密。



お店に入ると同士に二人の手は離れてしまったのだった。


あんなにおサルさんみたいに小さかった小学生時代の伊吹や、背がどんどん高くなる中学生時代の伊吹と、同じ人物なんだと思ったら、不思議。


それでいて、大人になっている伊吹を見るとなんとも言えない気持ちになる。
ドクンドクンと胸がなる。もう少しで、蓋が開いてしまう。

伊吹ったら、こんなにかっこ良くなっちゃってさ〜!



「大人になったら、色々なことがあるよね。でも、がんばってれば良いことって本当にあるんだね。ってゆうか、あったよ!」


‥‥‥伊吹に会えた。私にとって本当に嬉しくて、嬉しくてたまらないよ。


「今までの花菜のことは分かんねぇけど、でも前に進んでるのは分かるよ。だって、おまえ頑張り屋だから。」



‥‥‥‥伊吹にいつも助けられた。小学生時代も、中学生時代だって。


「なーに、泣いてんだよ。」


笑いながら、私の頭を撫でてくれる伊吹。

私の中の小さい恋する女の子が、もう一度、伊吹が好きとゆう気持ちの蓋を開けてしまいそう‥‥‥‥。


伊吹を見ると、あの頃はどうすれば良いのか分からなかった。

わからずしまいで結局終わってしまった。
私の初恋。
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