ドラマチック・ロマンス
暗い海は、怖い・・・


けど、伊吹が一緒だから怖くない。





伊吹はゆっくり車を止めると、急に私を抱きしめた。





「不安にさせた?」





伊吹に抱きしめられた私は、想いが込みあげる。





好きで、好きで仕方ないって気持ち・・・





私たちは、後ろに場所を移動して、しばらく抱きしめあっていた。







「神崎先生って・・・・・」





伊吹と関わりがあるの?





知りたいけど、知りたくない・・・・






「花菜には、全部言う。・・・・・神崎杏・・・神崎先生は元カノなんだ。」





伊吹が抱きしめる力を強める。




・・・・・元カノ





「そっか・・・・そっかそっか」





悲しくないよ?




かっこいい伊吹だもん、彼女がいたことなんてあるに決まってるよ。




「でも、杏とつきあっていても、花菜のことがちらついてた。キスするときだって、花菜だったらどんな顔をするんだろうかとか、大人になった花菜を見てみたいって本当に思ってた。」




伊吹は、私を見てやさしい表情をした。





「俺たち、また会えた。お互いに過ごしてきた月日は違うよ。でも、俺は頭の片隅にはいつも花菜がいたんだ。」





私もそうだと思う・・・





「当たり前なんだよね、伊吹は神崎先生ともキスをしたんだよね・・・わかってるし、それは変わらないんだってわかってるんだけどね・・・」



わかってるけど、やっぱり・・・気にしてしまう私の悪いクセ。





「・・・・花菜は、今までいた?誰かと付き合った?」













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