ドラマチック・ロマンス
「好きになりそうな人ならいたかな・・・でも付き合うまで行かなかったんだ。あ、でもキスされそうになったことはあるよ。咄嗟に交わしたんだけどね。」




伊吹と会わなくなった高校時代。




「そっか。」




“良かった”とはにかむ伊吹。





どこか伊吹と比べてしまう男子生徒。伊吹の方がかっこいいとか、伊吹の方が走り方がステキだとか、何かと、比べてしまっていたような。




「私、自分が想ってた以上に伊吹のこと、好きだったのかな。」






「花菜・・・・・・」






私を見ている伊吹。




笑っちゃうほど、私は伊吹が好きだったんだ。





「花菜、キスしよ?」





ぎゅうと顔が埋まってしまうほど、私を抱きしめる伊吹。






「うん。伊吹にキスされたい。」





伊吹にキスしたい。



「会えなかった時間を埋めようって言ってたけど、俺って会えない時も、花菜のこと想ってたのかな・・・それぐらい、自分のことより花菜が好きだ。」






伊吹は、抱きしめる強さを強めぎゅってぎゅって何度もする。





伊吹は、優しく私の唇にキスをしてくれた。




伊吹に、包まれたいし、抱きしめられたい。






「伊吹・・・・想いが溢れるね。」





「・・・花菜のなんでも話してくれるトコ、好き。なんだか、愛おしいな・・」




「それなら、ずっとずっと想ってたよ、中学生のころから愛しいよ・・・」





そう言うと、伊吹はくしゃくしゃに笑って私のほっぺたに自分のほっぺをくっつけた。




「似てるね、俺たち・・・」




ほっぺにキスをしてくれる伊吹。





伊吹も同じように思ってくれていたってこと?





「うん、似てるね、私たち。」




伊吹が私に「チュ」と優しくくちづけをした。



伊吹はキスをしてくれても、かっこいいね。



どうしてそんなにステキなの?







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